お母さんたちの『こんな時、どうする』
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-子どもの病気のホームケアと病院受診のタイミング-
まずは以下を参考にお子さんの状態を冷静に判断し対応してみてください。
もし判断に迷うようでしたらお電話ください。
記号の説明
・・・様子を見る
・・・受診する
・・・夜間・休日でもすぐ受診する
まず全身状態を見極めることが大事。
・顔つき
・機嫌、元気
・食欲
・睡眠
これらがいつもと変わりない・・・・
いつもよりもなんとなくよくない・・・・
いつもより随分悪い・・・・
熱が出た
症状 | 考えられる病気 | ||
急に高い熱が出た (38.5℃以上) |
意識がはっきりしない・ひきつけた 吐く・強い頭痛 |
脳炎・髄膜炎など | |
顔色が悪い・息が苦しそう | 肺炎・細気管支炎など | ||
強い腹痛・吐く | 急性虫垂炎(いわゆる盲腸炎)・ 腹膜炎など |
||
生後3ヶ月未満児 | 髄膜炎・尿路感染症など | ||
強いのどの痛み | 溶連菌感染症など | ||
顔つきは普段とほとんど変わりない | |||
高熱が5日以上続く | いろいろな病気が考えられます。 精密検査が必要です。 |
★ホームケアのポイント:
全身状態がよければ高熱でも慌てることはない。
すぐ解熱剤は誤り。(寝つけない、水分も取れない時のみ)
楽な衣類で静かに寝かせる、冷やし過ぎないこと(特に赤ちゃん)、手足が冷たい時は温める、水分は十分与える。
ひきつけた(けいれん)
けいれんとは?:意識がなくなり(呼んでも反応がない)、顔色が悪くなり(紫あるいは蒼白)、目が固定し、手足がつっぱったり、ガクガクする状態。口から泡を吹いたり、ヨダレが出たり、尿や便を漏らすこともある。
*熱が高い時に、よく手足がピクピクすることがあるが、これは、けいれんではなく、ちょっと神経が過敏になっているだけ。しかし、けいれんの前兆であることもある。
ひきつけたら ↓ 静かに寝かせる 衣類をゆるめる 熱を測る |
症状 | 考えられる病気 | ||
熱がある | 熱の上がりかけ | 熱性けいれん (原因の病気はいろいろ) |
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熱が続く・けいれんを繰り返す・吐く(けいれんが治まっても意識がはっきりしない) | 髄膜炎 脳炎 |
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熱がない | 吐く・意識がはっきりしない | てんかん 脳腫瘍など |
すべて必ず受診!(5分以上続く時は救急車を呼ぶ)
吐いた(嘔吐)
顔つき・吐物に注意!(吐物は受診時に持参)
・苦しそうな顔つき→要注意
吐いた後ケロッとしている→あまり心配なし
・血のような物(赤黒く見えることが多い)、緑がかったもの(胆汁)、大便などが混じっている吐物→重い病気のことが多いのですぐ受診
症状 | 考えられる病気 | ||||
赤ちゃん (2才未満) |
回数が多い | 苦しそう、ぐったり 血便 |
腸重積症 | ||
発熱 | 髄膜炎・中耳炎 | ||||
下痢 | 胃腸炎 (嘔吐下痢症) |
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噴水状 体重があまり増えない |
幽門狭窄症 | ||||
回数が少ない | 機嫌が良い | 溢乳 | |||
幼児 (2才以上) ・学童 |
回数が多い | 腹が痛い | 熱がある | 虫垂炎、腹膜炎 (胃腸炎) |
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頭が痛い | 熱がある | 髄膜炎 (かぜ症候群) |
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熱がない | 脳腫瘍、片頭痛 | ||||
顔色が悪い 繰り返す |
特有な口臭 | 周期性嘔吐症 (自家中毒症) |
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のどが痛い | 熱がある | 扁桃炎 (溶連菌感染症) |
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時々吐く | 割合元気 | 神経性嘔吐症 |
★ホームケアのポイント:
嘔吐が頻回にある時は、絶飲食。30分以上間隔が開くようになったら、少量(2、3口分)の水分から開始し、徐々に増量。
食事は空腹感が出てきてから。
下痢
*健康な時の便の状態を知っておく。
受診する時は必ず(下痢)便を持参する。
血の混ざった便、膿の混ざった便は異常。少量の粘液、緑便は正常。
白い下痢便はロタウイルスによる胃腸炎のことが多いが、慌てることはない。
*機嫌がよければまず安心。
*下痢以外の症状はないか。(吐く、熱がある、お腹が痛いなど、脱水はないか)
□脱水症状:尿が濃くなる、量が減る。
進行すると:皮膚の張りがなくなり、カサカサ、唇や口の中(口腔粘膜)が乾く、眼が落ち込んで、顔色も悪くウトウト。
→点滴が必要
症状 | ||
便は普段とあまり変わらない | 元気がある・食欲がよい・機嫌がよい | |
なんとなくぐったりしている・食欲がおちている・機嫌があまりよくない | ||
便がいつもとかなり違う | なんとなくぐったりしている・食欲がおちている・機嫌があまりよくない | |
吐く・熱がある・お腹を痛がる・便に血が混ざっている・便に膿のようなものがある |
★ホームケアのポイント:
①吐き気がないか、治まったら、水分を十分与える。
1日あたり、乳幼児では、体重(kg)×80~100mlぐらい。
一度にたくさんではなく、こまめに。
乳児では母乳は可、ミルクは下痢の程度により、2/3~1/2に薄める。
下痢が4~5日以上長引く時は、乳糖除去ミルク(ラクトレスなど)がよい。
幼児以降では、お茶や薄めたイオン水などがよい。
②食事は吐き気がなく、食欲が出てきてから開始する。
柔らかい消化のよいものから、無理のない程度の量で開始する。
乳児では離乳食を一段階戻して開始する。
頭が痛い(頭痛)
*嘔吐や発熱を伴う頭痛は要注意。
*頭を打った後は、1週間ぐらい、特に24時間は気をつけてみる。
症状 | 考えられる病気 | |||
急に頭が痛いと言う | 熱がある | 嘔吐がある | 髄膜炎、脳炎 | |
鼻みず、 くしゃみが出る |
かぜ | |||
熱はない (頭を打った後) |
じきに泣き止んだ | |||
機嫌がよい、元気がよい | ||||
こぶがある | ||||
耳や鼻から血が出た | ||||
意識がない | ||||
嘔吐がある | ||||
激しく頭を痛がる | ||||
頭がへこんだ | ||||
頭痛が続く | だんだん強くなる 嘔吐がある |
脳腫瘍 | ||
時々発作的に痛む 家族に頭痛もちがある |
片頭痛 | |||
軽いがよく痛む | 副鼻腔炎、目の調節障害など (耳鼻科、眼科へ) |
|||
立ちくらみがある 朝なかなか起きられない |
起立性調節障害 | |||
朝頭痛があり、学校へいけない (休みの日はない) |
心因性頭痛 |
お腹が痛い(腹痛)
・顔つきを見ること!苦しそうにしている時は本当に痛い→早く受診。
・特に小さい子では、お腹以外の病気(のど、頭、胸、足など)でも、ポンポンが痛いと言うことがある。
・はっきりしない腹痛が長く続く時も受診したほうがよい。
症状 | 考えられる病気 | ||||
乳児 | 泣く | 吐かない 顔つきもよい |
お乳を与える 浣腸する |
三ヶ月疝痛 | |
激しく泣く | 吐く 顔つきが苦しそう |
脱腸が戻らない | かんとんヘルニア | ||
大便に血が混じる | 腸重積症 | ||||
幼児・ 学童 |
急にお腹が痛いと言う | 熱がない | 便が出ていない | 便秘 | |
吐く | 胃腸炎、周期性嘔吐症 (自家中毒症) まれに腸重積 |
||||
熱がある | のどが痛い | 扁桃炎 (溶連菌感染症) |
|||
咳が出る、呼吸が荒い | 肺炎 | ||||
腹痛が増強 | 右下腹部が痛い | 虫垂炎 | |||
腹痛が反復する | 臍の周囲が痛い | 反復性臍疝痛 |
泣き止まない
症状 | 考えられる病気 | ||
抱いたら泣き止んだ | 抱き癖 | ||
お乳を与えたら泣き止んだ | 空腹 | ||
熱がある | 中耳炎など | ||
裸にしてみる | 脱腸が戻らない | かんとんヘルニア | |
傷がある 衣類に針などがある 虫がいる |
外傷 虫刺され |
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浣腸する | 血便・粘液便が出る 吐く 顔色が悪い |
腸重積症 | |
便はよい 泣き止む 夕方に多い |
三ヶ月疝痛 |
*夜泣き:生後7~8ヶ月頃から増えてきます。
この原因には空腹、食べ過ぎ、ガスがたまった、暑すぎる、寒すぎる、衣類による刺激、昼のストレス(初めての外出、お客さんが多かった…)、昼寝が長すぎたなどいろいろあります。あまり長く続く時は一度受診してください。
咳が出る
息が苦しそうな時は要注意!(呼吸が速い、小鼻がピクピク、息を吸う時に首の下や胸の下がへっこむ、顔色が悪いなど)
症状 | 考えられる病気 | ||
咳が出る | ゼイゼイして苦しがる | 気管支喘息 | |
犬吠様の乾いた咳が出て苦しがる | 喉頭炎(クループ) | ||
ピーナッツなど豆類を食べた後、急に苦しがる | 気管支異物 | ||
急に胸を痛がる | 気胸 | ||
熱があり、呼吸が苦しい | 肺炎、細気管支炎 | ||
ゼイゼイ言うが、元気はよい | 喘息性気管支炎 | ||
熱があるが、比較的元気 | かぜ | ||
朝とか夜だけで元気がよい | |||
咳が長く続く (1週間以上) |
夜間、咳が続いた後に 「ヒュー」と言う 咳で顔が赤くなる 咳の時吐く |
百日咳 | |
軽い呼吸困難がある 微熱がある |
マイコプラズマ肺炎 クラミジア肺炎 肺結核症 |
||
寝入りばなに多い 青鼻が出る |
副鼻腔炎 | ||
日中軽い咳が終始出る 夜間は少ない |
空咳神経症 |
★ホームケアのポイント:
咳のひどい時は起き上がる方が楽。
水分を取らせ、胸や背中を軽く叩いてあげると痰が切れて楽になることも多い。
鼻水、鼻づまり
症状 | 考えられる病気 | ||
水様性 (水鼻) |
1週間以内 機嫌はよい |
鼻炎(アレルギー性鼻炎を含む):軽症 | |
1週間以上続く 咳がひどい、発熱 |
アレルギー性鼻炎 かぜ、気管支炎 |
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膿性 (青鼻、緑鼻) |
機嫌がよい | 鼻炎、副鼻腔炎 | |
機嫌が悪い、耳を痛がる(耳を気にする)、発熱、頭痛、痰がらみの咳 | 鼻炎、副鼻腔炎、中耳炎の併発、副鼻腔気管支炎 | ||
鼻閉 | 睡眠は十分取れる | 鼻炎(アレルギー性鼻炎を含む):軽症 | |
夜間覚醒することが多い、機嫌が悪い、1週間以上続く | 鼻炎(アレルギー性鼻炎を含む):中等症以上 |
★ホームケアのポイント:
乳児・幼若幼児では、市販の鼻吸い器を使うのは有効。
幼児以降では、片方ずつ鼻をかみ、鼻汁を出したほうがよい。
(あまり強くはかまないほうがよい)
鼻づまりの強い時は、暖めたガーゼなどを鼻の上にあてると有効。
皮膚にブツブツが出た(発疹)
○蕁麻疹(とても痒い、みみず腫れのような発疹)が全身にでき、機嫌が悪くなったり、元気がなくなる→
○上記以外は、急ぐものはない。しかし見ないと診断がつかないので→
・どんな発疹で、それに伴う症状は?(メモしておく)
どんな発疹か?(どこから出始めたか、大きいか細いか、べた一面か隙間があるか、痒みがあるかないかなど)
・発疹以外にどんな異常があるか?(熱、咳、鼻水、吐く、下痢、痛み、リンパ腺が腫れたかなど)
・熱と発疹との関係は?
どちらが先か、同時か、熱が下がって発疹が出たなど。
・兄弟に同じような病気はないか?
・幼稚園や学校で流行している病気はないか?
・最近何か薬を使っていないか?(いつ、何を)